「白髪を抜いてはいけない!」と、よく言われます。その通りです!
理由は巷でよく言われている通りで、多くの方々に「そんな事知ってるわ」と言われそうなので、そちらの方は割愛し、今日はちょっと違った角度から白髪についてご説明したいと思います。
とはいえ「白髪を抜いてはいけない理由が知りたい!」方は、こちらをお読みください。
バルジ領域にある《幹細胞》をご存じですか?
美容に詳しい方なら、「幹細胞ってあの若返り細胞のことでしょ?」とお答えになるかもしれません。ご名答です!
現在幹細胞について発表されている内容は、世界の研究者達が一歩ずつ歩んで来た結果です。実は科学好き!(笑)の私は、書きたいことが山ほどありますが、脱線しないようにします!
今から20年程前、頭皮と毛根の間にあるバルジ領域が発見され、これが「毛を生やせ!」という重要な命令を出している場所だという事が分かったのです。
バルジ領域には2つの幹細胞があります。
・色素幹細胞と呼ばれる メラニン色素の形成のもとになる細胞
・色素幹細胞のゆりかごのような役目をし、毛母の形成もとになる毛包幹細胞
この2つの細胞は「切っても切れない仲」で、両方ないと成り立たない存在だそうです。
私たちの体には、今現在の情報では細胞が37兆個あると言われていますが、幹細胞とはその「様々な細胞の元」となる細胞のことなのだそうです。
白髪ってどこから来るの?
さて、本題の白髪ですが、長年の研究で色々わかった事の一つは、
「髪の毛は元々白か透明で生まれ、色素幹細胞のお陰で黒くなる」です。
では、加齢などによりこの細胞の力が弱くなって来たらどうなるか?
そうです!本来の白い毛が生えてくる、つまりこれが「白髪」なのです。
「えーっ!白髪って黒い毛が白くなるんじゃないのー?」と叫びたくなりますよね?
逆なんです。まあ、歳をとってルーツに還る、みたいな…。
そして前述のバルジ領域の細胞を蘇らせる事が出来れば?白髪が黒くなったり、他の髪に関するお悩みも解決できる可能性があると言われています。
なので、現在の毛髪に関する最先端医療、美容ではこのバルジ領域を活性化させるという事に大注目しています。
(ちなみにそれ以前は、毛根を改善する事が様々な問題の解決策と考えられていていました。)
ここで「幹細胞」の再登場です。
幹細胞には主に2つのタイプがあるとされています:
・組織幹細胞 これは自己複製型。例えば爪を作る細胞は爪の細胞として生まれる
・多能性幹細胞 様々な細胞に分化できる細胞
ご存じの方も多いと思いますが、2012年にノーベル医学、生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が生成に成功したips細胞、実はこのips細胞が多能性幹細胞なのだそうです。そして、これは美容にとってもものすごいことなのです!
「細胞を蘇らせること」に注目するこれからの美容
この成果のお陰で、美容医療は新たな時代に入りました。
例えば、多能性幹細胞の培養液が入ったヒト幹細胞美容液やヘアトニックなどの製品が、徐々に手の届く価格になったり、美容医療の施術が変わってきています。
培養液が入ったヘアトニックがバルジ領域でどんな働きをするか?
頭皮の「眠っている、もしくは休止してしまった細胞を分裂させながら、甦らせる」と言うイメージでしょうか。
→若返らせる:白髪が黒くなる、発毛を促進させる
…夢のような美容液、使ってみたいですね~!
だから白髪はどうすればいい?
私たちの頭皮では目に見えない細胞が働いて髪の毛を生成して、抜けるとまた生成するという「循環」を繰り返し、加齢と共に少しずつ変化していきます。
これは仕方のないことですが、加齢を遅らせるために、なにはともあれ頭皮マッサージがとても大事なんです。
頭皮マッサージを習慣にして、バルジ領域を活性化しましょう!
というわけで、「シャンプーが楽しみになる!ご自宅で洗髪の時にできるマッサージ方法」を、またの機会にブログでご紹介しますね。
幹細胞、バルジ領域、いかがでしたでしょうか?
頭皮の大切な細胞達が、私達の為に休むことなく働いてくれています。
そう考えると、「抜く?抜かない?」の話を越えて、白でも黒でも大切に思えてくるのは、私だけでしょうか?
Comments